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移住者が地域の人と顔見知りになって、「おたがいさま」になるまでの道筋を作ってくれる西本さん、笹木さん~地域の元気人(1)

「移住定住コンシェルジュ(柳井市)」の武田です。
シリーズ「地域の元気人(げんきびと)」では、「自分たちの手でふるさとをもりあげよう!」と活動する地域の方を紹介していきます。
第一回は子どもたちの森林体験学習などを通じて地域活性化活動を展開する「Seeds」会長 西本さんと、日積地区連合自治会長 笹木さんをご紹介します。

保育園児からお年寄りまで、季節ごとに参加しやすい行事を企画

山口県柳井市の北東部にある日積(ひづみ)地区。山に囲まれ、美しい田園が広がる人口1,217人(令和6年5月末時点)の地域です。

そんな自然豊かな地域も人口減少が進み、2003年に小学校の一つが廃校に。「学校がなくなったことで地域が衰退していくのは嫌だ」と危機感を持った西本さんは、一念発起。小学校の保護者を中心に「Seeds」(=種)という団体を立ち上げました。団体名は、「地域活性化のタネをまいて、次世代に芽生えさせていこう」との思いから。
西本さんたちは、「自分が子どものときにやっていたことを、今の子どもたちにもやらせたい」と、廃校舎や神社を拠点に「里山探検隊」「お山の学校」など、里山とふれあう活動を展開。

伐採した竹を使って神社の参道に立てたり、ソーメン流しをしたり。保育園児からお年寄りまで、地元のいろんな人をまきこんで活動してきたそうです。

その後、廃校舎跡地には都市農村交流施設「ふれあいどころ437(よんさんなな)」が建てられました。ふれあいどころ437支援協議会の会長でもある笹木さんは、「今はふれあいどころ437を拠点に、どんどん交流人口が増えていけば。コツコツといろんな人をまきこんで、地域の活性化につなげたいという思いです」とおっしゃっていました。

直売所や農家レストラン、体験交流棟などがある「ふれあいどころ437」

現在はSeeds発足から約20年がたちました。若手メンバーも入って、どんど焼きや運動会、1泊2日の「里山体験隊」など、季節ごとに行事を開催しているそうです。
Seedsの活動の魅力は、自然とふれあえることだけでなく、地域の大人と子どもがいつの間にか顔見知りになっていること。「ふだんの生活で、子どもから声をかけてくれるんよ」と西本さんは顔をほころばせます。「大人になって日積を離れたとしても、昔遊んだ日積の思い出がその子のどこかに残って、ああ日積がいいなあって、それでいつか戻ってきてくれたら一番」とおっしゃっていました。現在は小学校の学校応援団地域コーディネーターもしている西本さん。地域の子どもたちの心に、ふるさと日積の種をまいています。

自然が学び場、それが「お山の学校」
「お山の学校」の様子。夏にはここで宿泊型自然体験学習「里山探検隊」が開催されます

移住者を迎え入れる土地

実は日積地区には、何人も移住者さんが住んでいます。
「少子高齢化で地域が寂しくなっていく。でも、年寄りが何かをやろうとしても、体力的にも難しい。だから、移住者の力が必要なんです」と笹木さん。
移住を希望する人が来られたときは、まずSeedsの会合に誘うのだそうです。西本さん曰く「そこで一緒にワイワイ作業したりする。そうやって顔つなぎをして、お互いに顔見知りになるんです」とのこと。なんと、Seedsで出会って、結婚した人もいるのだとか。
また、移住検討者には住まい探しのお手伝いもするそうです。実際に先日移住検討者から相談を受けて、地元の人に声をかけていった西本さん。その結果「家が余ってるから貸すよ」という所有者さんにつなげることができたのだそうです。また、移住者が古民家を改修するにあたって、「せっかく日積に住んでくれるんだから」と地元の人たちが多方面で協力してくれたこともあったそうです。

日積のよさは?

最後に、「日積のよさはどんなところですか」と聞いてみました。
西本さんは「すぐ地域で連携がとれるところ」。
笹木さんは「自然が豊かで、地域の人に『おたがいさま』という人間愛がある。Seedsが作りあげてきた地域のつながりが根づいている。外からの人もウェルカムな体制があるところです」と答えて下さいました。

地域活性化のために、日々東奔西走する西本さんと笹木さん。インタビュー中も「こんなイベントをやったら子育て世代が楽しいんじゃないか」「こういうシステムがあるとお年寄りの生活が豊かになる」などのお話が飛び交い、地域をよりよくするアイディアは尽きないようでした。

ウェルカムな雰囲気にあふれ、地域の人もあたたかい。そんな日積(ひづみ)地区を、移住候補地として訪れてみませんか?

※日積地区のPR動画「日積SUNぽ」は、こちらにてご覧いただけます。

※日積地区の詳しい情報は、Webサイト「from日積」をご覧ください。


お話を伺った方:(左から)日積地区連合自治会長 笹木さん/Seeds会長 西本さん


本記事は、2024年5月の取材時の情報になります。移住のご相談は下記窓口までお気軽にどうぞ。