見出し画像

農業にちょっと興味を持ったとき、まずお話を聞くべき農業委員、亀山さん~地域の元気人(2)


「移住定住コンシェルジュ(柳井市)」の川邊です。
田舎への移住で、まず思いつく仕事といえば農業。自然に囲まれて、面倒な人間関係に悩まされることも少なそうだし、会社員をやめて農業をやってみたいかも...!と考える方はいらっしゃると思います。けれど、自分にできるのか想像もつかないし、農業で生活できるのかも不安、何から始めたらいいのかもわからない...!と、わからないことだらけではないでしょうか。
そんな時、「やっぱり私には無理!」と考えるのをやめてしまう前に、まず話を聞いてみてほしい、農業委員の亀山さんをご紹介します。

農業の始め方を間違うと、最初のハードルが高すぎて超えられない

農業を始めたいかも...とインターネットで調べ始めると、多くの就農支援サイトや、全国各地の自治体の支援制度を探すことができます。
けれど、いろいろな条件があって、自分にはハードルが高すぎる!と感じている人もいるのではないでしょうか。
農業をやってみたこともない今の時点で、3年も5年も続けられると自信を持って言うことはできないし、農地を買いたいと思っても、農業をやったことのない都会暮らしの人が農地を買うのはとても難しい。
やってみたい、がんばりたい、という純粋な気持ちがあっても、スタート地点にすら立てない人も多いはず。

実は農業は、手厚く守らなければならない産業のため、さまざまな補助金もあり、自治体や行政としては「新規就農の方が周辺農家の方とトラブルを起こして、既存の農家さんが困ってしまった」とか、「補助金をもらったのにすぐに農業をやめてしまい、続かなかった」などという方がなるべく出ないように、新規就農を希望する方に対して、とても慎重にならざるをえないという事情があるのです。
もしかしたら、自治体の窓口に相談に行って、「そんな甘い考えでは農業はできないよ」などと厳しいことを言われて、心が折れてしまったことがある方もいるかもしれません。

新規就農者は増えてほしいのに、自治体の就農相談のハードルは高いまま。そんなジレンマを抱えているのです。

一生やらなくてもいい。まずは単なる憧れから、体験に進めてほしい

そこで話を聞いてほしいのが、農業委員の亀山さん!
亀山さんは、自らは農業を営んでいませんが、周辺の農家さんのことを考えながらも、新規就農者が増えないことには地域の農業が成り立たなくなるという、ギリギリのタイミングであることを実感して、新規就農者を増やすための地道な活動を続けているのです。

亀山さんと話をしていて驚いたのは、「やる前から、一生続ける、と決めるのは無理だよね。やってみて続けられそうだったら広げればいいし、無理だったらまた転職するくらいの気持ちでまずは始めてもいいのでは」とおっしゃってくださったこと。

「まずはやってみてほしい」と背中を押してくれる亀山さん

まずは憧れているだけの状態から、実際にやってみることが大事。
そんな信念で「まずは農業をやってみられる」環境を、地元住民の皆さんとともにつくっています。

本格的な就農前に農業を体験したい人も受け入れてくれるという先輩農家の土網さん。 来年には最新機器を導入したハウスが完成し、「土に触れないでできるイチゴ栽培」も実現するそう。
土網さんにインタビューした記事はこちら

「みんなでやろう」を合言葉に、亀山さんの周りには元気な農家さんたちがいっぱい

亀山さんが農業委員をしているのは、山口県柳井市の日積(ひづみ)地区のエリア。このあたりは、米、イチゴ・ブドウなどの果樹、お花や各種の野菜など、多様な農作物が栽培されています。

米農家の森本さん。小さな田んぼから始めて、5年で農地は20倍に。今では、あたりを見渡す限り森本さんが管理する農地になっています。
森本さんにインタビューした記事はこちら

もちろん農業は、暑いときでも外での仕事が多く体力も必要だし、力仕事が必要な時もあります。けれど、機械化や昨今のスマート農業化で、あまり力が必要ない作物や栽培方法もあるのです。
また、農家は儲からない、農業だけでは生活できないという昔ながらの固定概念を取り払い、作物を作るだけにとどまらず、出口である売り方までトータルに経営を考えて広めている農家さんもいらっしゃいます。

地元の農家さんと会合を開く亀山さん

何よりみんな明るく自然体で、農業が好きで、新しい就農希望者を待っている人たち。こんな人たちに話を伺って、実際に体験させてもらったら、インターネットで検索して知る新規就農方法とは、違った農業への道すじがみつかるかもしれません。

お話を伺った方 柳井市農業委員 亀山さん

本記事は、2024年6月の取材時の情報になります。詳しくは下記の窓口よりご相談ください。市外・遠方の方はお試し移住相談もあわせて受け付けています。

この記事が参加している募集